妄想劇場・流れ雲のブログ

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妄想劇場・妄想物語

流れ雲のブログ











※注意
掲載されている情報には危険なものも含まれています。
閲覧したり実践したりすることで発生する一切のことがらに
責任を負いかねます。必ず、自己責任でお願いします。
不快感がある方は、読むのを中断してください。・・・



その日、オレは1人で飲みに行っていた。
気がついたら既に深夜で、移動する足がなくなっていた。


「仕方がない、タクシーを拾うか。」
そう思っていると、丁度通りかかったタクシーがいたので
手を挙げて乗り込んだ。


「◯◯までお願いします。」
「…わかりました。」


しばらくは無言で走行していたので良かったが、そのうち
タクシーの運転手が身の上話を始めた。こうなると厄介だ。


正直全く興味がなかったのだが、車内は2人きり。
否が応でも聴かざるを得ない状況になってしまう。


そしてひとしきり話終えたのか、運転手は
「最近どうですか、お客さん。」と、ついにオレにまで
突っ込んだ話を聞いてきた。


オレは「面倒だな…」と思いながらも、つい身の上話を
してしまっていた。


実はその頃、オレは仕事もプライベートも絶不調でかなり
滅入っている状態だった。タクシーに頼んだ行き先も、
いわゆる自殺の名所と呼ばれる所。


つまりはその日、人生の幕を閉じようと考えていたのだ。


「もう、正直どうしたらいいかわからない…。」
堰を切ったように、オレは泣きながら話をした。
こんな客がいたら絶対に引くだろうな…と頭では思いながらも、
オレは自分を止められなかった。


しかしその運転手は真剣に、静かに相槌を入れながら話を
聞いてくれていた。さらには「人生には辛いことも多いけど、
その分楽しみもある。今は辛抱しなよ、兄ちゃん」と言って
励ましてもくれた。


聞き上手な運転手に全てを打ち明けると、何か妙に気持ちが
軽くなった感じがした。よく、悩み事は見知らぬ人に聞いて
もらうと良いと言うが…オレも誰かに心の内を打ち明け
たかったのかもしれない。


「お客さん、着きましたよ。」


タクシーが止まった所はオレの自宅前だった。
目的地とは違ったが、帰ってこれた事にオレはホッとしていた。


これは運転手に感謝だな…と思って名札を見ると、どこかで
見た事のある名前が書いてある。
しかし、どうしても思い出せない…。


「まだこっちに来るのは早いぞ。さぁ降りろ降りろ!」
「えっ…?」


突然降車を促されたオレは、思わずタクシーを降りた。
するとタクシーはそのまま走り出し、暗闇に消えるように…
ではなく、本当に消えてしまった。


信じられない瞬間だったが、不思議と怖い感情はなかった。
何故ならその時、運転手が誰だったのかに気がついたのだ。
それは亡くなったオレのじいさんだった。


「そういえばタクシーの運転手してたもんな。オレのこと
心配になって来てくれたのかな。」


タクシーに乗っている時は、何故かじいさんだと気づけ
なかったが、降りた瞬間一気に思い出が走馬灯のように
蘇った。


じいさんにはとても可愛がってもらった思い出が山ほどある。
じいさんが天国でも元気にやっているとわかってからは、
オレも自暴自棄になることなく、今もなんとかやっている。・・・







私自身、あまり動物が好きではない。


以前は子供のためにウサギを家で飼ったが、そのせいで
主人のアレルギーがひどくなったこともあり、家でペットは
飼えないと思っていた。


それにウサギが亡くなった後は辛かったから、もう二度と
ペットは飼わないつもりでした。


だけど、一度餌をあげるとまたやって来て、その都度
何かしらあげていた。


・・・※ ある日、お腹が大きくなっているのに気が付いた。
メス猫なんだ。 一週間しているうちに、お腹が元の大きさに
戻っていた。


と思っているうちに、隣の柵の方から赤ちゃん猫が泣く
声がして。 親猫は、裏に来てこちらがあげる物を食べたら、
すぐ赤ちゃんの所へ戻って行っていました。


それから暫くして、裏に赤ちゃんを連れてやって来ました。
網戸越しに、赤ちゃんを見ました。


いつも来る親猫は、黒と白色が混ざった猫できりっとした
顔でしたが、赤ちゃんは黒色が主で白も所々あり、
かわいい顔の猫でした。


親猫(私たちは『クロ』と呼ぶようになりました)はまたすぐ
子猫を連れて、隣に帰りました。


・・・※ その翌日クロが来て、今までと違う悲しい鳴き声で
泣き続けました。 何かあったのだっと思い隣の柵を除いた
ところ、子猫が横たわっていました。


動かないのを見て、亡くなったのだと気付きました。
ようやく、クロの鳴く意味が解りました。


私は、餌をあげるしか、励ますことができなかった。
次の日にはもう普通のクロに戻っていました。


・・・※ それから一ヶ月ぐらい経った頃、7月の初旬。
クロのお腹がまた、大きくなっていた。あれー、
また子供ができたみたい。


私が、家族に言ったのだけど、あまり信じてもらえなかった。
この日クロは我が家に入りたがった。もしかして、うちで
産む気なのかと思ったが、やはり家には入れなかった。


以前と違う所で産んだのだが、今回は場所が判らない。
暫くして赤ちゃんの泣き声がしたから、やはり近くで産んで
いるのだろう。


・・・※ 何日か後の夜中に凄い雨が降りました。
大丈夫だったかなあと思っていました。


次の日の昼間、クロがやって来て、またあの時みたいな
泣き方をし始めました。


「クロ、もしかして、赤ちゃんいなくなったん?」
クロは、泣き続けました。 私は続けて、 「クロ、泣いてる場合
じゃないよ。探しに行き」


通じないかもしれないけど、ついそう言っていました。
すると、クロは餌も食べず歩き出したのです。


その夕方、赤ちゃんの猫の鳴き声が聞こえたので、
やれやれ見つかったんだとほっとしました。


・・・※ 今回はすくすくと育つようにと思っていたら、またもや
子猫を連れて来た。 今度は二匹。茶色の縞模様の子と
グレーの子。縞模様は、キリっとした顔立ち。 グレーは、
かわいい顔の猫でした。


二匹は、裏でじゃれて遊んでいました。いつの間にかクロの
姿がありませんでした。 ええっ、もしかして…。


クロは、赤ちゃんを置いて行きました。
すぐスーパーに子猫専用のフードを買いに行きました。
裏に置いてある棚に、寝床を作り。 子猫は、すぐ慣れました。


・・・ ※ 一ヶ月が経った頃、ふらっとクロが現れました。
私たち家族は、思わず「クロ」と呼んでいました。


私はすぐクロの餌を用意して、置きました。しかしクロは
見向きもせず、子供たちを見ました。


子供たちはすっかり忘れたみたいで、二匹で寄り添って
怖がっていました。


クロはそのまま玄関の方へ行きました。ちょうど主人が
車から降りて来ました。


主人も久々のクロを見て「クロ」と言うと、クロは主人の所へ
行きました。


主人がクロを撫でてやっていると、クロはすっと歩き出し、
家の門を出て何歩か歩き、振り返って頭を下げたのです。


私も主人も一緒に見ていたので、私は思わず
「今、頭下げたよね」 と言いました。


クロの姿は、消えました。
その後、クロは一度も現れませんでした。
今でもクロのことは、時々会話に出てきます。 ・・・。






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