妄想劇場・流れ雲のブログ

趣味の、自己満ブログです。人生は、振り返ることは出来ても、後戻りは出来ない…掲載内容に問題がある場合は、お手数ですが ご連絡下さい。 迅速に対応させていただきます。

妄想劇場・歴史への訪問












むかしむかし、越前(えちぜん→福井県)の坪江村(つぼえむら)
にある滝沢寺(たきざわてら)の和尚が、京都で修行していた
時の事です。  


道ばたに十八人の子どもたちが集まって、泥ダンゴで
二十三体の観音さまを作っていました。  


その観音さまの出来があまりにも良いので和尚が感心
していると、子どもたちはその中でも一番出来のいい
観音さまをくれると言うのです。


「ありがとう。きっと大切に・・・」 と、


和尚がおじぎをして頭を上げてみると、そこには誰
もいません。


「・・・そうか、これはきっと、仏さまが私にくだされた
物に違いない」  


そう考えた和尚は、その観音さまを肌身離さず持っていました。  


さて、ある日の事、旅に出た和尚は、山の中で道に迷って
しまいました。  


ほとほと困りはてていると、一軒の家が見つかりました。  
和尚が一晩泊めてくれるように頼んでみると、


中にいたひげづらの男とその女房は気持ちよく迎えて
くれました。  


ほっとした和尚は、すぐにぐっすり眠ってしまいました。  


それを見た二人は、ニヤリと笑い、 「へっへへへ。久しぶり
の獲物じゃ。今のうちに殺してしまおう」 と、顔を寄せあいました。  


なんとそこは、山賊の住み家だったのです。  
男は刀を抜くと、眠っている和尚の首を切り落としました。


「よしよし。後の始末は明日にしよう」 と、言って、その晩は
そのまま寝てしまいました。  


さて次の日の朝、二人がまだ眠っていると、お経を読む
声が聞こえてきます。


「何だ? まさか!」  


びっくりして目を覚ました二人が和尚さんを殺した部屋に
行ってみると、なんと殺したはずの和尚が座ってお経を
読んでいるではありませんか。


「ゆ、ゆ、幽霊、幽霊だ! 勘弁、勘弁してくれ!」  


二人がガタガタふるえていると、和尚が言いました。、
「二人とも、何を寝ぼけているのじゃ? 


いくら坊主でも、幽霊とはひどい話だ」
「しかし、わしはゆうべ、確かにお前の首をこの刀で
はねたんじゃぞ」、


「それなら、どうしてわしは生きておるのだ? 


・・・そうか、もしかして、観音さまが助けてくださった
のかもしれん」  


そう言いながら、和尚さんはふところから取り出した観音
さまを見てびっくり。  


なんと観音さまの首すじに刀の傷跡があり、今にも首が
落ちそうになっていたのでした。


「やはり、観音さまが私の身替りになってくださったのか」  


和尚は、観音さまに深く頭を下げました。  
それを見ていた山賊の夫婦は心から改心して、
それからは仏につかえて一生をすごしたのです。  


今でも滝沢寺には、その土仏観音がまつられている
ということです。 …


おしまい










えー、いつでもどこでも、若い衆が集まると、お色気のほう
に話がゆくもので、…  


「あァ、おいらおぼこ(純情)な生娘きむすめが好きだな。
小間物屋のお久ちゃん、いいよなァ、あの娘は」


「いやいや、しんねこ(人目をさけて語り合うこと)は年増
に限るぜ、


どうだい、横丁の師匠の、あの色っぽいこと」  


「俺は地女より、商売女がいい。吉原の八幡桜の、
千歳てぇ妓こは、


そりゃあもう、飛びっきりだぜ。女は女郎に限らあ」  


「冗談いっちゃあいけねえ。モノにしたいなァ、
大きな声じゃいえねえが、尼さんだよ。


こんど法然寺に来た若い比丘尼。
見ただけで、ブルッと来ちゃう」  


勝手なことをいい合っておりますのを横目に一人が、  


「おめえら、みんな若えな。何といっても色は後家さん
に限ると、むかしからいうだろう。


伊勢屋の若旦那が死んで、後家さんになったあのお花さん。
あの艶やかさ、色っぽさはたまらねえじゃねえか」





 中の一人が、無精ひげを撫ぜながら、  
「ああ、俺の女房も、早く後家にしてみてえ」 !!……





えー、元禄も十五年となり、吉良邸討入りのときも近づき
ましたある日、


大石内蔵助は、義侠の商人天野屋利兵衛をたずね、
利兵衛の家に泊ります。  


えー、ところでこの利兵衛の家に、ちょいと、この・・・
渋ッ皮のむけた女中が一人おりましてナ、


なンしろ利兵衛は、ここしばらくはヤモメ暮らしでございます。  
「あア、毎晩毎晩、自分の膝ッ小僧ォ抱いて寝るのは、
かなわんなア。


よし、今夜ァひとつ、あの女中をコマしたろかい」  


てンで、女中が手水場に立ちましたあいだに、
こっそり女中部屋に忍び込み、ふとんにもぐりこん
で女中の帰りを待っております。  


思いは同じ大石内蔵助、ここンとこ忙しくて祇園にも
通えず、モヤモヤしてるところへ、


昼間、あの女中を見ましたから、もう我慢ができません。


これまた、女中部屋へ忍び込むと、くらやみの中で、
ふとんにもぐり、やにわに股の間に手を突っこんだ・・・・。  


ウワァと相手がはね起きたかと思うと、
 「天野屋利兵衛は、男でござる!!」 …


Creator:seiwa(話し方教室講師)






×

非ログインユーザーとして返信する